特集:そのタイトルに決まるまで
本のタイトル、書名はどうやって決まるのか!? 著者がつけてくるのか、編集者が決めるのか、それとも社内会議で社長がこれ!と決めるのか。というわけで本の雑誌5月号の特集は「そのタイトルに決まるまで」。タイトルが決まるまでの苦心惨憺を明かす正直編集者座談会から、長文タイトルの顛末にタイトル案百出具体例、翻訳書のタイトルにラノベのタイトル、扶桑社、早川書房など10社の自慢タイトルに読者の衝撃タイトルまで、タイトル一直線の特集なのだ!
新刊めったくたガイドは柿沼瑛子が"平凡すぎる"顔のポールとにわかトリオががんばる『有名すぎて尾行ができない』をイチ押しすれば、石川美南はいみじき春の奇人変人まつりに快哉! 大森望が夏と思春期から終末SFまで新人デビュー作続々登場を寿げば、酒井貞道は阿津川辰海『黄土館の殺人』の「外」と「内」の謎解きを堪能! 松井ゆかりが人の心の複雑さを描く砂原浩太朗『夜露がたり』に心揺らせば、東えりかは被災者個々の内面に迫る『生ける死者の震災霊性論』に死者の命を再発見。そして「北上次郎ならこれ推すね」は心揺さぶる家族小説から危機また危機の大活劇まで北上印の四冊が揃い踏み! さあ、今月はどれから読むか。どーんと読んでみよう!
今月の読み物作家ガイドは、はやみねかおる。90年代生まれのミステリ好き、ミステリ作家たちが「ミステリの原体験」というミステリ世界の案内人の10冊とはいったいなにか。「子ども向けミステリ」の真骨頂を堪能してくれぃ。そして黒い昼食会が「メール便で付録を送るな!」と提言すれば、弱虫DIYにはロバのクサツネが登場! 岡崎武志古本屋になる!にリアル『古本屋台』を実行した人が出てきたかと思ったら、出禁のおじさんはやっぱり古本屋台に入れない!? 鏡明が早くも本年のベスト1映画を発表すれば、わたしがすすめる一冊も久々の登場! 連載陣もますますパワーアップの本の雑誌5月号の号タイトルは表紙を見てくれぇ!
■A5判並製 ■136ページ
ISBN978-4-86011-553-1
[目次]
本棚が見たい!
5月の書店 BOOKSいいだクレア店/5月の本棚 東直子
そして奇妙な読書だけが残った/スカ猫と妖怪と文学の限界について 大槻ケンヂ
風来坊のあなた/焼き菓子と『夕暮れの時間に』 徳永圭子
古本屋台/Q.B.B.
特集:そのタイトルに決まるまで
編集者苦心惨憺座談会/ちょっとずらすのがポイントだ! 江口洋/佐々木勉/山田剛史
明治大正の大衆文学史本に長いタイトルをつけたワケ 竹田 純
タイトルのつけ方あれこれ 宮田珠己
訳書のタイトル──私の場合 田口俊樹
ラノベの超長いタイトルはどれくらい超長いのか? タニグチリウイチ
我が社のタイトル自慢!
読者アンケート/このタイトルがすごい!
漫画 本を売る技術/良い書店を求めて 原作 矢部潤子 漫画 池田邦彦
弱虫DIY/ロバのクサツネ登場 内澤旬子
ユーカリの木の蔭で/長刀 北村 薫
新刊めったくたガイド
〝平凡すぎる〟顔のポールとにわかトリオががんばる! 柿沼瑛子
いみじき春の奇人変人まつり! 石川美南
夏と思春期から終末SFまで新人デビュー作続々登場! 大森 望
阿津川辰海『黄土館の殺人』の「外」と「内」の謎解きを堪能! 酒井貞道
人の心の複雑さを描く砂原浩太朗『夜露がたり』 松井ゆかり
被災者個々の内面に迫る『生ける死者の震災霊性論』 東 えりか
北上次郎ならこれ推すね/心揺さぶる家族小説『風に立つ』 他 吉野 仁・吉田伸子・藤田香織・霜月 蒼
歌野晶午の仕掛けたっぷり短編集『それは令和のことでした、』 宇田川拓也
現実と地続きの幽霊譚 ♪akira
軍事関連書メインのこだわりのブックカフェ 和氣正幸
カルヴィーノ賞作家ブロックマイヤーの『いろいろな幽霊』 山岸真
榎本俊二『ザ・キンクス』の個性バラバラ家族が楽しい 山脇麻生
懐かしく素朴な和の空間でけん玉本を購入! 小山力也
神奈川から香川まで旅する出版社サウダージ・ブックス 竹田信弥
交通誘導員・ライターに聞く「世界」インタビュー urbansea
サバイバルな書物/化石燃料をほぼ使わない格好いい ついこの間まであった生活 服部文祥
私がすすめる一冊
断捨離血風録/移動殺人事件 日下三蔵
黒い昼食会/メール便で付録を送るな!
岡崎武志古本屋になる!/リアル『古本屋台』を実行した人物 岡崎武志
こけし始めました/山形のこけし 浅生ハルミン
連続的SF話/本年の映画ベスト1 鏡 明
南の話/おやすみ、ひとりきり 『グッドナイト・ムーン』の怪(26) 青山 南
ウリポに繫がるフランス文学史 円城 塔
空港の書店の航空機関連本 べつやくれい
降り積もってゆく声と記憶 藤岡みなみ
心理学を揺るがす「再現性の危機」 風野春樹
ホリイのゆるーく調査/第3回本屋大賞に勝手に横から参加の大将再読速読編 堀井憲一郎
小海線物語/アルコールの向こうの青い空 沢野ひとし
はやみねかおるの10冊/「子ども向けミステリ」の真骨頂 荒岸来穂
続・棒パン日常/値上がりの話 穂村 弘
三角窓口/『容疑者χの献本』で届いた本はなんだ? 他
即売会の世界 石川春菜
今月書いた人
今月本の雑誌に遊びに来た人
掲載図書索引
後記